定刻通りに

うちの娘1は昔っから色水を作るのが大好きで、小学生になった今でも隙あらば花をすり潰して抽出しようとする。
ただ、最初は綺麗な色なのだけれど、時間が経るにつれ色がくすんでいくのがとても悲しいようで、茶色になった色水を溜息と一緒に捨てていた。


哀れに思った我々は、クエン酸を与えることにした。
色を定着させるには媒染なのだと思うが、流石にそこまでの手間はかけられない。
厳密には色が変わって安定するので、違うと騒ぎ出しはしないかと心配していたが、変色しないことの衝撃の方が大きかったらしく、「ずっとピンクのままやな。飲めるんちゃう?」などと世迷いごとを述べていた。いろんな意味でダメである。


しかし、どれだけ変色しないといっても未来永劫置いておくわけにはいかない。
まあ、二日程度でおさらばしていただこうと思っていたのだが、どうしても明日の夜まで置いておいてくれというので、ゴミ捨て前日まで置いておくことに。


次の日は帰ってくるなり、
「まだ捨てたらいかんよ。夜まで置いといてな」と念を押された。信頼が全くない。実績と安定の断捨離両親なので仕方ないとはいえる。
本当は捨てられたくないのだなあ、と思っていたところ、ご飯が終わるなり、「もう夜やな。捨てて」とあっさり廃棄指令が。
夜だから捨てるって、JRか君は。


なんと生き辛い人生観をお持ちの娘さまであることよ。
門限過ぎたらこっちが追い出されそうだな。