やらないと気が済まない

「明日は カエル持っていかんといかん」
幼稚園から出てくるなり娘1は言った。
聞くと、珍しく宿題が出ていてフェルトでカエルのワッペンを作る必要があるらしい。
なるほど、渡されたビニール袋の中には確かに緑色のフェルトがたくさんある。フェルトと一緒に設計書も入っていた。不器用な人間には助かる。カエルがアヒルになりかねない。
ただ、締切は週明けの月曜日と書いているように見える。
「明日いるの?」
「明日いるの!」
まあ、早くても文句はなかろう。そういう強迫観念はあった方が良い気がする。
ただ、やる気なのは良いがビニール袋の口をきつく締めすぎだ(結局切った。提出袋でもあるので持って行ったときに何か言われるだろう。いつものことだ)


娘1はずっとカエルを作ると言ってきかなかったが、娘2が起きている間はちょっと難しい。全部自分でやると言って譲らないし。
「わかった。娘2が寝て、娘1が起きられたら全部やっていい。でも、起きられなかったらかーちゃんが途中までやっておくからね」
「起きる! カエル!」
そして、寝た。まったくもって起きない。すがすがしいほどに快眠。のび太君か、キミは。


という話を私は今さっき聞いた。
「で、キミはなにをしているのかな?」
「ミシン。だって、娘2の保育園用のエプロンが……」
あの、今2時ですよ?


遺伝子仕事し過ぎだろ。