所有物

うちの子は所有権に厳しい。
自分の椅子に勝手に乗っていたら、親でも引き摺り下ろさんばかりの勢いで怒る。
今日も娘1が娘2の椅子に座っていたら、
「ちゃう! 娘2の! 娘2の!」
と足を引っ張ってて危なかった。


「ねーちゃんはちょっと貸してほしいんだよ」
と言っても聞き入れやしない。
結局危ないので娘1は下ろされてしまった。
椅子の上でふんぞり返る娘2を恨みがましく見つめる娘1。何か良い案はないものだろうか。


そうだ。
「ぎゅうぎゅう したらいんじゃない?」
この提案は快く受諾され、娘二人は狭い椅子の上でぎゅうぎゅうと座ることに。これは、良いんだ……。
キミの価値観が良くわからないよ、娘2。あと、それでも上ってくる娘1もな。


自分のだけでなく、他人の所有権にも厳しいことが発覚。
じいさんが私のマグカップでコーヒーを飲んでいた(面倒だったので私がそうした)ら、「とーちゃんの! ちゃうの! とーちゃんの!」と警報機のように鳴り続けていた。
「とーちゃんが貸したのよ。大丈夫」と宥めても一向に納得した様子がない。下唇を噛み締め、不満を隠そうともしない。
結局じいさんがコーヒーを一気飲みする羽目に。酷い。全く敬老わない家族だな。


ちなみに子供たちのマグカップを間違えて配置するとステレオで怒られる。一応、家主なんだけどなあ。
我慢が限界に達したら全て無地の器に変更したいと思う(そして、間違い探しの領域に)