泣く子には勝てない
娘1はあまりわがままを言わない。
それは、私たちが彼女のわがままを容れてこなかったからだろう。店でお菓子が欲しいと床掃除することもなければ、もっと外で遊びたいと砂浴びすることもあまりない。
が、先ほど久しぶりに大泣きして訴えた。
「みどりの絵本が読みたいのにぃ!」
- 作者: ロバート・サブダ
- 出版社/メーカー: 大日本絵画
- 発売日: 2004/11/16
- メディア: 大型本
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しかし、寝る前の最後の一冊という約束で別のを読み終えた後だった。
もちろん読まないつもりだった。いつもは泣いても寝床に連れて行って寝かしつけてしまう。
でも、今日は何か様子が違った。
いつまで経っても泣き止まない。何度約束だからと言っても聞き入れない。
もう知らないと脅しても、明日にしようと宥めすかしても、頑として譲らない。
結局、根負けして読んであげた。
約束は約束だ、と思う反面、大した労力じゃないんだから甘やかしてやろうよ、とも思う。
彼女があくまで譲らなかったのは、断ってる最中に、「何ゆえここまで頑なに拒まねばならんのか」と考えたのが伝わったのかもしれない。
読んだあとはけろりとして寝てしまった。
「むかしむかし、ある?」
と、寝物語の有無を控えめに尋ねてきたのがとても可愛らしかった。
たぶん、読んであげて正解だったのだと思う。娘は言いようのない何かを抱えていた可能性は高い。
それでも「約束を守らせた方が良かったのではないか」という疑念はつきまとう。
泣く子に勝つ必要があるのか。それとも泣かした時点で負けなのか。
撒き戻せない選択肢を弄びながら、私はしばし考えている。