イチゴー

父上の交友関係のおかげで食べ物をもらうことが良くある。
その方は百貨店で買い物するのがやたらと好きらしい。
しかし、服飾やらインテリアには一切興味がないので専ら買うのは食品ばかり。そして、食べきれないのでおすそ分け。
たぶん、幸福の王子かなんかの生まれ変わりなんだと思う。年中パッチの。
そう考えると百貨店の接客ってトラップ多いな。人は見かけによらないっても限度があるだろ。


なので子どもが「マンゴーないの?」とか自然に尋ねてきたりする。どこの上流にお住まいで?
「近所のスーパーに売ってないもんが常備できるか!」と、僻み根性満載で返事をしたいところだが、「ないよ」と大人の対応。
そしたら、ちょっと考えてから言った。


「イチゴーは?」


つ ら れ と る
その感覚が大好きだ。子どもらしくて大変よろしい。家人と一緒に大笑い。
笑わしてくれた礼に、座布団代わりで一枚あげたいところなんだが在庫が無い。残念。


「リンゴーならあるよ」
と、おっさん丸出しで言った時の家人の冷たい目といったら。
同じネタなのに言う人間でこうも対応が違うのはいかがなものか。


今後はネタ差別解消のために、積極的にリンゴーを使用していきたい(冷たい視線を受け止めつつ)