遠慮と浅慮と配慮と

うちの子は親戚にフルーツバットでもいるのかと思うくらい果物が好きだ。
帰宅すると今日も元気にデラウエアを食していた。
家人から「とーちゃんと半分こね」との声が飛ぶ。そう、牽制しておかないと確実に完食するのだ。


で、大方の予想通り半分以上食べた。私の目の前で。
じっと見ていたら、「たべちゃったから とーちゃん ぶん ないかも な」とぶつぶつ言ってた。食べながら。
かもじゃない。あと、とりあえず止まってから喋れ。
私の視力が壊滅していなければ、すでに推量は事実化している。というか、もうキミでも数えられるくらいしか残ってないよね?
いいよいいよ、好きに食べな。


ちなみにいくつ残ってるのか尋ねてみたら、エアブドウを数えて水増ししていた(エアウエア)
「ひとつ ふたつ みっつ よっつ よっつっ!」
いや、どうみても一つだよね。大事なことなので二回言いましたみたいになってるけれども一つですよね?
びっくりするほどざっくばらんな詐欺を見たな。目の前で紙幣を手書きで模写して渡すレベル。しかも旧紙幣。


残りの一個をくれるというので丁重に辞退しておいた。というかそれは良いんだ。
ニコニコと最後のぶどうを味わっているのを尻目に、コーヒーゼリー食べてたら、それでも凄い目で見られた。キミは食べれないってのに。
キミの優しさとか慎ましさはすぐに揮発してしまうのだね。