右手と限界とタオルケットと

子どもは好きなものになると我慢が効かない。
例えば、下の子は右手が好きすぎて口内侵入限界をすぐに見誤る。
おえってなるなら止めればいいのに、まだいけるとばかりにストイックな挑戦を繰り返す。安心を求めて危険を呼び込むってのはいかがなものかと思うが。


上の子は上の子でタオルケット好きに歯止めが効かない。
このクソ暑さにも関わらず全身に巻きつけて寝る。さらには新しい私のタオルケットまで所望する。もちろん汗だくになるのだが、剥がすと烈火のごとく怒り、泣き出すので手の付けようがない。
おそらく体表面のタオルケット占有率が90%を切ると精神が不安定になる病気なのだろう。立派なタオルケットホリックである。
いったい冬場はどうするのか。
16層重ねのミルフィーユとか、羽毛布団のタオルケット巻きとかを作らねばならないとすると、今から頭痛が痛くて仕方がない。


絵本だって好きなものばかり読む。
今日は初めてペネロペに触れたのだが、合計10回近く読んだ。
流石に飽きたので「違うのにしような」と隣室の本棚に送り出した。
扉を開ける音や、ごそごそという本を入れ替える音を聞いてよかったと胸を撫で下ろす。
で、「もってきたよー」と、しっかりと相も変わらずペネロペを握りしめてきたときは頭から崩れ落ちた。
誰に対するトリックだ。見事に引っ掛かったよっ! 読むけどっ!


こうやって親の限界を試しているのかと思うと、威厳を維持する意味においても軽々には降参できないと思慮するところですが、他の育児業務従事者はいかがお過ごしであるのかはなはだ疑問に思われる次第であります。草々(錯乱中)