本来の用途、装飾の嗜好

幼稚園に遊びに行ったらたこあげ用の凧を製作していた。
さすがに園児たちには難しいのか、基本的にはボランティアのおじい様方と保護者たちが悪戦苦闘していた。


やることが無く暇な園児のひとりが、なにやらずっと手で顔を覆っている。
気分でも悪いのかと心配してじっと見ていたら、こちらに気付いたらしく、つつつと寄ってきて呟いた。
ティッシュあげようか?」


どうやら香り付きティッシュでトリップしていたらしい。懐かしいなあ。
気分が悪いどころか、最高にハイ!ってやつだ。
まあ、違う意味で心配だけれども。


折角の施しを拒否するのもあれなので、ありがたく頂き、しっかりと鼻をかんだ。
その後一緒に凧を作ったりしたけれど、彼とは本当に打ち解けられたのだろうか。
あの時の彼の玄妙な表情が忘れられない。