紅葉黄葉

秋といえば葉っぱが色づき、やたらと読書をし、そしてむやみにお腹の減る季節。
さあ子どもと一緒に堪能するぞ、と気勢をあげるものの、葉っぱ以外はオールシーズンだということに気付き「秋、意味無いな」と独りごちる。
まあ、健全な証拠なのだけれど。


しかし、折角なので、秋最後の砦、色づく葉っぱを堪能しに出かけた。
一応子どもに説明してから出かけたが、どこまで理解しているかは不明だ。あと喜ぶかどうかもあやしい。
だって、葉っぱに色がついたからといって、読めるようになるわけでも、美味しくなるわけでもないのものな。どんぐりほど汎用性があるようにも思えないし。


とか、思っていたけれど、完全に杞憂。
イチョウとモミジが見えた瞬間から「きー、きー! っかー、っかー!(赤の意)」ってずっと 言ってた。
写真撮ったけど、カメラ目線が一枚もない。家人に抱かれて写っているのに空か地面しか見やしない。あれか、誘拐犯か。
こうやって仲の悪そうなスナップが量産されていくのかと思うと感慨深い。


まあ、家族写真なんてのは、それを語る人間を含めてひとつの作品なのだろう。
思い出がなければ、どれだけ美しい紅葉もモノクロ写真と変わりないのだ。