おしいれの冒険

うちの押入れは子どもが隠れるのにぴったりサイズ。折り畳むことなく収納できる。
子ども自身もお気に入りの場所らしく、電気の点いていない薄暗い部屋の中でも、毎日元気に忍んでいる。
たまに急に出てきて悲鳴をあげそうになる。バイオハザードならナイフで滅多刺しにてているところだ。
しかし、ハーブで体力回復ってどれだけ極めた菜食主義者なんだ。
たぶんあのハーブがアンブレラ社最高の研究成果。間違いなく禁断症状とかが出るやばい草。でも、レッドハーブはしそ。


さすがに扉は自分で閉められないのでこちらで閉めてやる。
日頃のうらみとばかりに、しばらく開けなくても全く怖がらない。たぶん天ぷらにされそうな間抜けなおばけしか知らないせいだろう。
怖いものを知らなければ、暗闇だって怖くないのだ。


まっくろくろ助がよるくまにむしゃむしゃと食べられる話を捏造すれば恐怖におののいてくれるだろうか。
涙が黒いってことは、よだれも黒いのだよな、たぶん。毎日イカスミ気分か。やだなあ、そんな食生活。


ちなみに私は暗いのに弱い。すぐ歌ったり大きな声をだしたり汁を出したり(自嘲&自重しろ)
ひとりぼっちも怖けりゃ饅頭だって怖い(ウエイト的に)
大人になっても怖いものばかりだ。
ただ、子どもを失うことに比べたら、どれもこれも屁みたいなものだ。


想像するだけで、目の前が真っ暗になるのだから。