爪切りふぇち

子どもにあるまじきことに、うちの子は爪切りが好きだ。
爪切るよ、と言えば逃げ出すことなく嬉しげに寄ってくるし、切ってる様子をじっと見ている。
また、切られるだけじゃなく、親が切ってるのを見るのも好きだ。真剣に爪が無くなる様を凝視している。
親には何が面白いのかさっぱりわからないが、子どもにはエキサイティングな行為なのだろう。


指からわずか数ミリのところを鋭利な刃物が交差する。恐怖し、少しでも動けば痛みと流血は避けられない。終わらない20回の恐怖にキミは耐えられるか!?


と、描写すればそれなりにすりるとさすぺんすがあるようなないような。
そんな木曜映画劇場みたいなことは考えてないだろうけど。


近頃は爪切り好きが高じてごっこあそびにまで導入されることに。
三角形の積み木を握りしめては、自分のつま先に当てたり、私の指先に当てたりしてくる。で、ぱちん、と言わないと怒る。
私もかなり変なごっこ遊びをこなしてきた自信があるが、さすがに爪切りごっこは経験ないな。むしろ。無理解を通り越して若干の恐怖すら感じるよ。
というか、そんな所帯じみたごっこ遊びの何がキミを魅了するのか。


いずれ自分でするようになったら爪切りを隠さないといけないかもな。
深爪になると困るし。むしろ、深爪で済めば御の字なのだろうか。
はっと目覚めたら隣には黙々と私の爪を切る我が子が。
絶叫(深爪されて)
暗転、閉幕。