老兵は死なず、ただ消え去るのみ

浴室戦線において長らくエースであり続けたアヒル隊長が、このたび健康上の理由(カビ)により退役された。
体調改善(洗浄)後、予備役に編入するという案もあったが、後進に道を譲るという意味もあり、現役を退いていただいた。総員、アヒル隊長に敬礼!
しかし、その後の隊長の消息は杳として知れない(ぶっちゃけ捨てた)


子どもは居なくなったことを理解しているのだけれど、たまに何も無いおもちゃ置き場の方を見ている。
音がうるさい上に一向に前に進まないというアヒルの風上にもおけないおもちゃだったけれど、それなりに愛着があったようだ。
面影を探しているのかもしれない。


戦力ダウンした我が軍では、子どもをゆっくり湯に浸からせておけない。
仕方がないので、総大将の私自ら出撃して戦線を維持しなければ。
久しぶりに、鼻はどこかな等の体の部位を探索させる遊びを行った。
そして、へその場所を尋ねた時、悲劇は起こった。


子どもはおもむろに自分の腹に手をやると、ズボンを上げるかのごとく腹肉を引っ張りあげ、へそを指差したのだった。
・・・・・・め、めたぼ。
前からお腹が出てる風味だとは思っていたが、自分のへそが視認できない程とは。
もう、少しくらいふっくらがぷりちーだね、とか言ってられない。


現役の戦士にはもっと精悍になっていただかないとな。
まだまだキミは思い出に浸ってる場合じゃないのだ。