ほんとうに好きなもの

うちの子はパンにジャムを塗ったのが好きだ。いくらでも食べようとする。
ただ、パンよりもジャムの方が好きだ。パンを食べながらジャム瓶の方ばかり見ている。
たぶん、うちの子はパンをジャムを載せる台かなにかと勘違いしている。
ジャムだけ吸い取ってお代わりを所望された時には目の前がまっくらになったよ(低血糖で)


散歩も好きなのだが、たぶん歩くよりも葉っぱやどんぐりを拾う方が好きだ。
家中に落ち葉とどんぐりが敷き詰められていたら、たぶん一歩も外にはでないのではないか。まあ、その時は私が出て行かせていただきますけれど。


木を見て森を見ないと、そういうことになかなか気が付けない。
好きでもないパンをぐいぐい押し込もうとして修羅場を呼び込む破目になる。
だからと言って好きなことばかりさせたいのではなくて、好きなのだと誤解したまま、良かれと思ってそれ続けることほど、お互いにとって不幸な話はないからだ。


我慢は体によくない。それが好意からきているなら尚更に。
だから、私もこの際はっきり言いたいと思う。こんなに差し入れはいらない、と。
たぶん最初に大袈裟に悦びを過ぎたのだ。でも、必要ないと打ち捨てるわけにもいかないじゃないか。折角好意で持ってきてくれたのに。
でも、それではいつか破綻をきたすのが目に見えている。ならば、お互い傷の浅い内に話し合うのが得策なのではないだろうか。


私はそう決心した。部屋に散らばった大量のどんぐりを見つめながら。
このままじゃ、二階をクヌギが突き破ってしまう・・・・・・。