美しい気合

今日、玄関でうちの子が奇声をあげていた。
いや、奇声をあげるのは日常茶飯事なのだが、玄関であげることが珍しい。
玄関であげるのは嗚咽(見送り時)と歓声(お散歩時)と決まっているからだ。


ついに暑さにやられたか、と遠巻きに見ていると、スリッパの裏を一生懸命こすっては「きえーっ」と放り投げていた。
なんだろう。新手の甲骨占いか。明日の天気でも気になるのだろうか。
むしろ雨乞いに見えるな。放り投げたスリッパが全て裏になってるし。


その時私は気付いた。
今朝は靴箱のカビに気付いて、子どもが嗚咽(不散歩時)をあげるに構わず靴を磨いていたの。つまり、あれは私を真似している。
わが子のあれは気合じゃなくて「綺麗」なのだ。玄関自体はスリッパが散乱して空き巣に入られたみたいになってるけど。


おかげで子どもの手はどろどろだ。お風呂に入ったばかりなのに・・・・・・。
見ると私の手も靴墨でどろどろだった。


じゃあ、手を一緒に洗おうか。
綺麗を真似る限り、どんなに汚れたって叱りはしない。
気合を入れて褒めるくらいが関の山だ。