引き出す

ごはんの時間になると引き出しを開けるようになった。
理由は自分のよだれかけを取るため。


賢くなったなあ、と感心していたら、余所行きしか選ばないというブルジョア的行為が炸裂。
嫌々する子どもに普段使いをなんとか装着。賢しくなりやがったなあ、と慨嘆。
食べ始めたら忘れるところが可愛らしい。引きずらないのは重要だ。


引き出しができるようになったので、いつか洗濯物カーニバルが開催されるだろうと身構えていたが、一向に行われる様子がない。
喪中?(その理解力があればしない)


日頃洗濯物の片づけを手伝っているからだろうか。畳んだ洗濯物には一種近寄りがたいなにかが備わっているのかもしれない(恐怖とか、血潮とか)
一方、着替えを取り出す時は力強く主張してくる。
「こっ・・・・・・ち!」とすごい溜めて言ってくる。あと自分で引っ張り出す。


ということは、駄目な時を理解してるってことか。
賢いなあ。お約束ができなくて、ちょっと寂しいけれど。
でも、多分嵐の前の静けさなのだよな。だって子どもが予想通りに動いたためしがないもの。
奴らは親の感情を揺さぶることにかけてはプロだしな。
さてさて、次は私のどんな顔を引き出してくれるやら。
楽しいやら楽しくないやら。