座りが悪い

近頃よくこける。
自立歩行に挑戦しているわけではなく、座った状態からよくこけている。
特に笑った拍子にひっくり返っていたりするので、おちおち親父ギャグも言えない。吉本か。


もともとゲラ(妖怪人間)なのだが、最近はこそばされるのが嬉しくて仕方ない。
こそばし始めると、もっと私を弄んで!とでもいうように脇をあける。
中でも一番好きなのは、洗面所で家人が歯みがきしているのを肩車で覗き込むこと。
家人を覗きたくてどんどん傾いていくのが可愛らしい。傾きすぎて私の首がもげそうになるけれど。


そして、覗かれているのに気付いた家人がこちょこちょこちょ。
諸手を挙げて喜ぶ子ども。捩れる首。飛び散るよだれ。響き渡る哄笑。


子どもは落とされないと安心しきっている。
もちろん落としはしない。しないがしかし、もう少し危険さを自覚しておいた方が良い。
たぶん、最近よくこけるのも自分がこけないことに慣れてきたからなのだろう。


1歳の子どもですら過信する。
そりゃ猿も木から落ちるし、河童は川を流れるし、弘法も筆を誤る。
同じ意味の諺を3つも作らずにはいられなかった先人の忸怩たる気持ちを思うと、どれだけ過信が恐ろしいか理解できようというもの。


気を引き締めて肩車していきたい(足で首を絞められつつ)