月は出ているか

今日初めて月を認識したご様子のわが子。
散歩中ずっと空を見あげててた。
あんな大きなものを見逃してたなんて、なかなか大物だなキミは。


とても気に入ったのか、しきりにベビーサインを私たちに送ってくる。
親にも見えているかどうかが気になって仕方ないのだろう。
だが、わが子よ。
その手を握ったり開いたりするサインは星だ。月じゃない。
そんな私の指摘など意に介さず、子どもはずっとぐっぱぐっぱしていた。
目を離したすきに逃げてしまう、とでもいうかのように。


月はいつもそこにある。
しかし、子どもはそれがいつもあるものだとは知らない。
だから、これほど感動し、いつまでも見続けていたいと願うのだろう。


子どもが月をあたりまえの存在だと思うようになる前に、私は子どもに教えなければならない。
キミが初めて月を見た日のよろこびを。それを見た私のよろこびを。