はめる

知らない間に図形のはめ込みができるようになっていた。
球体にあけてある様々な形の穴に、それに合ったブロックを落とし込むおもちゃと言えば伝わるだろうか。
自分で形にあった場所を探すことはできないが、落とす場所さえ指定してあげれば、形を合わせて落とそうとする気概が見える。
なかなか落ちなくて鼻息が荒くなることの方が多いが。


私が子どもだった頃、これを猿のようにやっていた記憶がある。
スっと落ちる瞬間が楽しくて楽しくて仕方なかった。穴にぴったりとはまると自然と笑みがこぼれたものだ。
そのわりに片付けが好な子にはならなかったのが不思議である。
きっちりしまうのとは何かが違うらしい。そういう几帳面方面の能力には穴が空いているようだ。


つい先日もバンボを置く方向が違うと家人に叱られた。
家人は背を向けて置かないと気がすまないらしい。私はどっちでもよいのだが。
そう言ったら、どっちでも良い割に常に逆向きなのだけれど、と追い討ちをくらった。


くそう。
バンボ型の穴が壁にあったら間違いなくはめ込むのに。それも嬉々として。
あと、バンボをかぶるのは誰もが通る道だと思うのだがいかがか。
取り急ぎネフェルティティごっこと呼称しておく。
子どもには不思議な顔をされた。穴があったら入りたい。
とりあえず、仕返しにバンボにはめ込んでおこう。



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