オランダの少年

の話を思い出した。
ダムの決壊を一人で止めるやつ。
うちの子が風呂場の蛇口に果敢に挑むのを見ていたら、それしか思い浮かばなかった。
あまりの真剣さに、ついつい流されるまで見てしまった。


ただ、どれだけ真剣に見たところでまだまだ仕組みは理解できないようだ。
止めたら不思議そうにいろんなところを触っていた。
しかし、加減はできない。
もうすこしがんばれば蛇口がもげるくらい引っ張っていた。
半年後には私たちは水没していることだろう。土嚢でも用意しておくか。


というわけで、現在風呂場にはロックがかかっている。
できることが増えると、立入禁止区画も増える。能力的な成長は自由を保証しない。
あくまで、して良い状況だ、と判断する能力が行動の自由を保証する。


ただ、駄目な状況を経験せずにそれを見に付けるのは相当難しいと思う。
というよりも、どうやって教えてよいやら見当がつかない。
だってダムに指を突っ込むのが英雄的行為だとしても、いつでもどこでもダムの穴に指突っ込んで良いわけじゃないもの。


まあ、とりあえず鼻から指を抜け。話はそれからだ。