花見

桜なんてまともに見たのは何年ぶりだろうか。
社会人になってから、年度変りのこの時期が暇だったことがない。
まあ、言い訳だけれど。


しかし、今年は言い訳がきかない。
なぜなら、まず日本語が通用しない。
忙しい、とどれだけ主張してみても、隙を見せれば「ボウシ、ボウシ」とベビーサインをする。
(外出時にしか帽子を被らないので、帽子=お出かけだと思っている)


しかも、その執念が尋常じゃない。
トイレから出たらサインをし、食器を洗い終えればサインをし、洗濯物を畳んでいる最中もずっとサインをし続ける。
いやいや、他のことして遊んでなよ・・・・・・。


根負けして花見に行くことに。
山肌のここそこが桃色に染まって、山が恋でもしたような様子だった。
結果的には、今日は天気も良く絶好の花見日和だった。
花を見てるんだか見てないんだかの人たちも沢山居て、大層にぎやかな雰囲気。
眠たいから春、ではいけないのだなあと実感した。


子どもは「もふもふ〜」と桜の花びらに顔を突っ込むのがお気に入りになった御様子。
声を出して大笑い。何度もやってやってとせがむうちに顔が花粉で黄色く染まった。
ただ、仕返しか何かしらないが、花びらを引き千切るのは控えて頂きたい。たとえすぐに散ってしまうのだとしても。
でも、ワシントンのように正直に言えば許してもらえるかもしれない。
まあ、黄色く染まった顔では反省の色は窺えないと思うけれど。