花キューピット

誕生日だからって、生命保険会社から花が届いたりすると大変びっくりする。
そして、何より一番驚くところはヤマト運輸はこんな面倒なものも運んでいるのかということだったりする。
おお、底に水入ってたよ、水。


サービスなのでありがたく受け取るが、そのサービス料金はどこから捻出されているのかと思うともにょもにょした気持ちになる。
かかってきた電話の応対も、比例してもにょもにょしたものになるのは致し方あるまい。
多分、自分が花を贈るような雅やかな人間であれば、心から喜べもするのだろうけれど、残念ながら押しも押されぬ団子派なので、有り難味も五割安(当社比)である。


ただ、子どもは結構花を喜ぶ。
もちろん私の子なので団子派なのだけれど、見たり触ったり嗅いだりするのがとても好きだ。
横を通る度に花を指差し、ふんふん鼻を鳴らして、近くへ寄せろと指示を出す。


丸い顔に似あわず(失礼)、雅やかな人だ。
その右手では花びらが無残に握り潰されていたとしても。