間隔5cm

近すぎるとなかなか気付けないことがたくさんある。
それは遠くを見ているせいなのか、それとも当たり前になっているからなのかはわからないけれど。
『青い鳥』は結局幸せははじめの場所にありましたという話だが、探しに行かないと見つからないという話でもある。
気付けないものを探す。
これはなかなか禅問答じみていて難易度が高そうだ。


毎回子供がご飯を食べる度に、食事は難しいのだなと感じる。
子供ができて初めて気付いたのだが、私たちは食べる瞬間食べ物から目線が切れている。。
当たり前にできるから気付いてなかったが、実は二人羽織で食べるのと大して変わらないのだ。距離が違うだけで。
だから、子供はどんどん落とすし、鼻で食べようとしたりする。
お腹が減って苛々しているほど、思うように口に持っていけないらしく、ぽろぽろ落として泣き出す。
でも。食べさせられるのは嫌だから、首を振ってかわしつつ、腹が減ったとブーイング。
私にどうしろと?


しかし、落とした瞬間に忘れるのが見事すぎる。
江戸っ子並みの潔さ。宵越しの金は持たないし、落ちたご飯は食べない(普通です)
さっきまでのみかんへの執着はなんだったんだ。


珠に口に入ってないのに笑顔でこっちを見るのがすごい笑える。
逆に、なんで入ってないの、という顔をすることもある。
どっちにしろ私は見ていて楽しい。
探さなくても幸せはここにある。