そいね

誰かが横に居るからといってあの眠りに落ちる感覚がやわらぐわけではない。
でも、独りじゃ眠れないのが子供ってものだ。


大人になってもあの感覚には慣れない。
まあ、個人的に眠りが深い体質なので気にはならないが、珠にひどい起き方をするときがある。
眠ってはいけないときの寝入り端は大抵怖い。本当にどこかに、落ちるという感じがする。
昔の人はうまいこと言ったものだ。


ただ、落ちるということは高い位置にいるということ。起きているうちに上にあがっているのだろうか。
どちらかというと起きているうちに気分が落ち込むことが多いが。


もしかしたら、毎日毎日落ち続けているのかもしれない。
私たちは慣れてしまって気にすることはないけれど、子供にはまだまだ怖いのかも。
そりゃ誰かにしがみつきたくもなる。指を吸って悲鳴をかみ殺したくもなる。
それに、大人よりも断然高い位置にいるのだろうし。



だんだん寝る時間が短くなってくのは、落ちる距離に比例しているのかもしれない。
寝る子は育つ、怖いほど。