とにかく笑えれば

笑いかけると笑う行為はかなりできるようになった。
一番初めに覚える表情が笑うというのは人間の本質を現しているのか、それとも、親に見捨てられない為の知恵なのか。笑うから育てるわけではないと思うが。


つられて笑うのが楽しくて、何度もこちらから笑いかけてしまうのだが、そのおかげか頬の肉が少し上がった気がする。
しかし、子供のほっぺはぶよぶよのままだ。
あんなに動いたり笑ったりしているのにふくふくしたままだというのが恐ろしい。
こっそり夜中に乳を吸っているのではないだろうか。


子供と遊ぶと嫌なことを忘れる、という話をよく聞くが、多分にこの笑いが影響しているのではないか。逆に言えば、子供が居ないとあまり笑わないということだ。
そう考えると一番初めに笑いを覚えることには、別の理由があるような気がしてくる。
子供自身の為ではなく、親の為に笑っているのではないか。
仕事と育児に疲れた親を慰めるために。


何も考えていないからこそ、感じることもあるだろう。
もしかすると、無垢の笑顔に思いやりが潜んでいるのかもしれない。
その笑顔から流れる滝のようなよだれからは想像しづらいけれど。