と言われて、どんなものを思い浮かべるだろうか。
誰にも壊せない鎖。硬く結ばれた縄。儚いほどの細い糸。


それがあなたの理想の関係を象徴します、とは今私が考えた心理テストだけれど、そんなに外れてはいないのではないかとも思う。
良く運命の赤い糸と言われるが、運命なんてたかが糸程度の強度しか持たないということだろう。引っ張れば相手に食い込んで嫌がられるというのも良くできた話だ。


さて、では親子の絆はどんなのだろう。
私が思い浮かべるのは赤いリボンだ。
赤は血縁関係からの連想だろう。あとは将来的に離れていく現実を、ほどけるリボンに仮託しているのかもしれない。
ただ、それはどこに結ばれているのか。
指、手、足、そして首。
どれも相応しいような気がするし、どこも適していない気もする。
みぞおちから少し離れたあたりから、ふっと現れて、我が子のお腹の方まで伸びている感じ。
おそらくへその緒のイメージなのだろう。
もしくは、本当は結ばれていないかもしれないという不安か。


絆とは、長い紐状のものだ。
棒でも、壁でもない。
引けば切れるし、押せば地に落ちる。
そんなものを頼りに、私は我が子を育てるのだ。