飴と無知

近くの公園で、犬を散歩させている少女がいた。
しきりにお手、お手と叫んでいる。
だが、犬はよく分からないらしく、少女の手をなめたり飛び回ったりしていた。
何度目かの少女の叱責の末、犬はお手に成功した。
少女は盛んに犬を褒め、頭をなでてながらポケットに手を入れた。
ご褒美をやるのかと思っていたら、さにあらず。
少女はそのままチョコを自分の口に放り込んだ。
春だな、と思った。