2009-03-31 飴と無知 短文 近くの公園で、犬を散歩させている少女がいた。 しきりにお手、お手と叫んでいる。 だが、犬はよく分からないらしく、少女の手をなめたり飛び回ったりしていた。 何度目かの少女の叱責の末、犬はお手に成功した。 少女は盛んに犬を褒め、頭をなでてながらポケットに手を入れた。 ご褒美をやるのかと思っていたら、さにあらず。 少女はそのままチョコを自分の口に放り込んだ。 春だな、と思った。