ただただ

朝ご飯の際、娘1がまじめな顔をして、あのさあ、とお願いしてきた。

「なんだい?」

「この味のり、ただただ食べて良いかな」

よい、と、わたしは答えた。

すると、二枚ほど取っていき、そして、ただ黙々と食べた。

ただただ、食べた。

食べ終わると、とても満足そうに笑顔を浮かべた。

 

 

面白すぎるだろ、小学四年生。

しばらくうちでは『ただただ』が流行る。間違いない。

ヘアドネーション

着物を着る機会が多いので子どもたちは髪を伸ばしているのであるが、流石にドライヤーの時間が長すぎるので、どうにかしたくもあるらしい。

とりあえず小学生の間は伸ばすことになるのだろうが、目的もないとなかなか難しいよなあ。

そう考えてヘアドネーションを提案した。

医療用のかつら作成のために寄付できるらしい。

折角伸ばしてきたのだから、なにがしかの形になれば素晴らしいと思う。

まあ、それまでの掃除が大変なわけだが(洗面所と排水溝の髪の毛の量がほんとひどい)

 

 

晩御飯の時に結婚記念日の話になり、娘2が理由を尋ねていた。

「なんでかーちゃんは、髪の毛がつんつんの人と結婚したの?」

理由が一択過ぎる。しかも、超些細。

とりあえず、排水溝に毛が絡まないからだよ、と答えておいた。めちゃ受けだった(緩い客だ)

 

 

髪質で結婚て。はげたら三下り半なのだろうか。

恐ろし過ぎる。

しわ名人

「なんで とーちゃんはしわが得意なん?」

風呂場で娘2の唐突な質問に固まるワタクシ。

しわが得意とはなんぞや。

 

 

「だって おでこに一杯しわが寄ってずるい」

どうやら目を見開いた時にできるおでこのしわが面白いらしい。

そういえば、以前すごく触ってきたな。

あげられるもんならなんぼでもくれてやるのだが……

 

 

「そうだ 力入れてみたらしわできるかな?」

突然力み始める娘2。

しかし、湯上り卵肌でつるつるでこっぱちの娘2。

どんなに望もうとも、おでこのしわなど寄るはずもない。

 残念ながらおでこに力を入れてる感じがめちゃくちゃ可愛らしい。ずるいわー。

 

 

げらげら笑ってたら超怒られた。

しかし、キミは行動どころか、何を欲しがるかすら予想がつかんね。

 

一人称の改善

罰金刑の成果が出たのか、一人称は改善され、私と言えるようになった。

お金の力は偉大だ。最終的に500円くらい徴収した気がする。

今度は口が開けっ放しになるごとに罰金だ!(ダメな家庭統治の例)

 

 

ぼけっと口が開いたままだと、実は矯正できないので困っている。

前回の矯正はもう効果が無くなってしまった(口開けのせいだけとはいわないが)

かかりつけの歯医者さんにも匙を投擲されたので、とりあえず改善しないことには次に進めない。

しかし、問題は私も口開け人なので完全に遺伝だってことだ。

 

 

結局、互いに監視&罰金という殺伐とした関係になってしまった。戦時下か。

娘2は娘2で密告してくるようになるし……。

家庭内に明文法を持ち込むのは良くない、良くないのだ(ちゃりんちゃりん課金しつつ)

 

 

罰金刑

一人称での「娘1」使用が治らない娘1に罰金刑が課されることになりました。

一回十円で一週間経たずに現在二百二十円。

全然効果ないな(真顔)

 

刑罰の抑止効果の無さが良く理解できる。

大体の過失は気付いたらやってるのだろうし、やる気ならばばれる可能性を踏まえた罰則リスクよりもリターンを重く見るのだろう。

間違える度に言い直すようにはしているのだが、道のりは遠い。

まあ、いずれ治るのだろうから目くじら立てなくても良いのだろうけれど。

ちなみに娘2も同様なので、最終的な一人称貯金は結構な額になりそう。

恵まれない我が子に募金でもしてやると良いのかしら。

 

知っているので、おかまいなく

うちの子の主食は米なので、大変にパンが好きだ(直訳風錯誤文)

あまりにも好きすぎておかず等を食べる前にパンが無くなってしまうため、パンは最後に食べるルールとなっている。マナーなぞ知らぬ。

で、今朝は娘2のパンの角が削れていた。

確実にマシュマロ実験で失敗するタイプの子どもである。将来が不安だ(再実験では有意差でなかったらしいけど)

 

優秀な親であるところの私はもちろん子どもの失敗をあげつらったりせず、控えめに指摘するのみにとどめるのであった。誰かにパンがつまみぐいされているよ、と。

  

「大丈夫。心配しないで。これは娘2が食べたから」

  

娘2の反撃! 私は婉曲表現に失敗した。35万のダメージ!

大丈夫……、大丈夫? 大丈夫とは!?(ゲシュタルト大丈夫)

  

娘2の異常なまでの素直さ加減に、自分の心の汚れちまった悲しみ具合を再確認させられる。まあ、パンよりキミの人生が心配なわけだが。

 

持ち込み禁止の錯誤

児童館での禁則事項を伝えに来た娘2。

「児童館にSwitch持って来たらいかんのやって。一日出入り禁止になる」

そういえばイベントが近いのであった。おそらく友達とそんな話になったのだろう。

確かにイベントの時とかにSwitchやってる子どもはいる。参加者としては気にしないが、主催者としては気になるだろう。当然の措置と言える。

しかし、うちはアナログゲームしかない家なので、出入り禁止になる心配はない旨伝えると、

「え? うちにもスイッチあるよ?」

え? いつ買ったのよ。というか、あったら流石に気付くよ。

「あるよ、ピタゴラスイッチ

  

ピタゴラスイッチ ピタゴラゴール1号

ピタゴラスイッチ ピタゴラゴール1号

 

 

そのスイッチじゃねえっ!

 

つっこみと同時に脳内に鳴り響くピタゴラスイッチの音。

外であれ抱えてるやつを見たことがあるのかと小一時間ほど問い詰めたい。

勘違いが可愛らし過ぎるだろ。

 

 

当然のように他の人に吹聴して回ったので娘2の機嫌はダダ下がり。

イベント時のフライドポテトで手を打つことになりましたとさ。