忖度できない

立ち上がれないほどの不幸ってのはあって、それはもしかしたら自分の番だったかもしれなくって。
背後から自分の横すれすれを通って行った大型トラックのように、通り過ぎてからそのあまりに大きな暴力に慄然とする。


同情とも安堵とも恐怖ともつかない気持ちが、はっきりとした形にならないまま黒々と揺蕩っている。
それは多分、世界の理不尽さに対する憎しみかなんかなのだと思う。


私にはあなたの気持ちは忖度できない。
かける言葉も、寄り添う手も持たない。
それでも明日から笑って過ごすのだ。
あなたが泣き崩れる横で笑って過ごすのだ。
世界の理不尽さを忘れて生きるしかないこの身の矮小さ。


ただただ悲しい。