迫り来る足音
ドコッ ゴスッ 「あー! あー!」
私の朝はそんな奇怪な喧騒から始まる。
ちなみに説明しておくと、娘2がベッドから降りた表紙にどっかぶつけて八つ当たりしている状況だ。
トッタ トッタ トッタ ゴスン!
目覚ましには娘の頭突きが丁度いい。程よい殺意が私の身体を瞬時に覚醒させてくれる。たぶん、身体に悪いけど。
なんで手で起こすって発想がないのだろう。触れると手が腐り落ちるとでも思っているのだろうか。失敬な話である。
時刻を確認すると5時半。
よし、もう一度寝ようと即座に決意する。テレビもカラーバーじゃねえか。
断固たる決意で不貞寝をしていると、飽きた娘2は本来の寝床へ帰っていく。
トッタ トッタ トッタ 「うぎー」
トッタ トッタ トッタ タッ タッ タッ
「とーちゃん まだ寝よるなー いかんなー」
マドハンドは仲間を呼んだ。とーちゃんは逃げ出したが回りこまれてしまった。痛恨の一撃。とーちゃんよ、死んでしまうとはなさけない。
所持金半分やるからゆっくり寝かせてくれんかね?(永眠願望)