絵本は誰のもの
下の子にも読むようになったので、寝るときは二冊。
しかし、順番は上の子が指定。
この譲り合いの精神の無さよ(詠嘆)
上記のことから読み聞かせが情操教育に良いなんて嘘だとわかる。人間そんなに簡単に進歩しない。
読書するくらいで良い人間になるなら、今頃私は悟りを開いてるよ!
ちなみに私の読み聞かせの目的は読書好きに育てて、面白い本を渉猟する仲間として活用したいからである。
で、『おまえうまそうだな』
- 作者: 宮西達也
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2003/03/01
- メディア: 大型本
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名作と言って間違いない。宮西達也さんの中では子どもが一番気に入ってる。
しかし、子どもはこれのどこが好きなのだろうか。
構造的にみると、「主人公のティラノ=親」で「うまそう=子」なわけだが、子どもの心情的にティラノの成長や葛藤が面白いとは思えない。
また、うまそうは作中であまり成長しない。最初から最後まで心優しい子どもである。
つまり、どう考えても親をメイン読者として想定している。
読んだら「血の繋がらない親でもこれだけの愛情を注ぐのに、自分はどうなんだ」と内省すること請け合い。
絵柄やなにやらが楽しいのはもちろんだけど、ここまで何度もせがまれる理由は子どもは読み手の感情の揺れを感じているからだと思う。それが心地よいのではなかろうか。
親が好きな絵本は大体子どもも好きだものなあ。
決して「キミ、最近愛情が足りんのじゃないかね? ん? これ読んで反省したら?」という理由でせがんでいるのではないと思いたい。