だんどり

うちの子はかなりの段取り魔だ。
手順を飛ばしたりが生理的に受け付けないらしい。
今日だって髪を梳かずに寝かせようとすると、烈火のごとく怒った。
意気揚々とくしけずるキミの持ち手は、見事なまでに逆だったけどな。


おかげ様で次の目標を指定すると、すんなりと言うことを聞くことが多い。
もっと遊びたいと積木をがっちゃんがっちゃんしていても、片づけしたらお絵かきだと伝えるだけでいそいそと仕舞い始める。


私の中の子ども像は、心が擦り切れるまで同じことをし続けるか、触れた瞬間放り投げるほど飽きっぽいかのどちらかだった。
ちなみに私は前者だった。朝から晩まで同じ九九の歌を聞き続けていた前科があり、おかげで幼稚園で九九が完璧に暗唱できた。おかげで捻くれモノになり人生の暗礁に乗り上げたりしたが、またそれは別の話。


さて、いつまで段取りよくいくのだろうな。こちらの思い通りにいってる間が一番恐ろしいのだ。
どれだけ警戒感をもっていても、平和な日常は必ず私を鈍らせる。うまくいくのが当たり前だと認識してしまう。
すると、段取り良く行かなかった時の衝撃や落胆や苛々が私の許容量を超え、過剰に反応することになる。


段取りどおりいかなかったくらいで烈火のごとく怒りたくない、大人なんだから。
幸福な日常を怖れるのは本末転倒なのだろうけれど。