げらげら

眠くなると笑いの閾値が下がるのは、老いも若きも関係ない様子。
うちの子は7時を過ぎると眠気が限界に近いらしい。
私がノンタックよろしく、おでこの眼鏡をずり落とすだけでげらげら笑うようになる。
ちなみに我が家ではその状態の子供をベリーゲラと呼んでいる。
いろんな意味で外での使用は控えねばならない単語である。


何度やっても喜ばれるので、やってるこちらも張り合いがある。
普段なら見向きもしないときがあるくらいなのだ。
相当の力で笑わそうと努力したのに見てなかったりした時には、いくら温厚な私でも若干の殺意が芽生えたりすることは否定できない。


何度も何度もやっているうちに笑い疲れてきたのだろう。
子供がはあはあと息をつくようになった。
そろそろ止めようと眼鏡を掛け直したその時、子供は一際大きくふーとため息をついた。
まるで遊んでやるのは疲れたよ、とでも言うように。


笑わせることと笑われることの違いはあやふやだ。
相手がしゃべらなければ尚更だ。
眼鏡を掛けたら相手が喋れるようになれば良いのに。
ただ、警察で、馬鹿にされたからやりました、と言っても取り合ってはもらえないだろうけれど。