せいあくせつ

ほんとに子供ってやつは自分の好きなことしかしない。
なんにでも勝とうとするし、何でも自分のものにしようとする。
そういう本性を誰もが持っているということだろう。


といっても子供はたいした願いを持っていない。
うちの子レベルなら乳が飲みたいとか抱っこしてだし、先日一緒に遊んだ友人の子だって風船が欲しいとか鬼ごっこで勝ちたい程度のものだ。
微笑ましいし、すぐに手の届く範囲。与えることが簡単にできる。


だが、大人はどんぐりを拾う程度ではもう満足できない。
どんぐりそのものに変化はないのに、昔の輝きを見出すことはできない。
友人の子が喜色満面で「あげるっ!」と言ってくれても愛想笑いしか浮かべられない。


さて、人間が現状になかなか満足できないのはなんでも欲しがるせいだろうか。
それとも次々に欲しいものが変わるせいだろうか。


ちなみにどんぐりは食べられなかったので捨てた。
昔なら机に仕舞っておいたろう。でも、今は置いておく場所がない。
代わりになにかが仕舞われているわけでもないのに。