タカイ タカイ

近頃は肩車がお気に入り。
天井近くまで上げてはときゃっきゃと笑い、親を見下せる位置に立っては、げひひと嗤う。
以前は高すぎると無表情だった。きっと怖かったのだろう。
今は怖くないのだろうか。落ちたこと無いからわからないのかな。


では、何故以前は怖がっていたのか。
視点の移動が追いつかなかったから、と推測する。
二次元の視点が三次元になるのを想像するのは難しい。もう自分にその記憶は無いし。きっと二度とないほど劇的だろう。
度胸星』という傑作に多次元生命体のテセラックが出てくるが、例えるならタカイタカイはあれが起こした事象に近いと思われる。作中でもそんな感じの説明だったし。
つまり、以前の我が子にとってのタカイタカイは、私で言えば身体を裏返されるのに近い行為だったわけだ。タカイタカイは死なないけど。


そう考えるとなんと恐ろしい行為だろうか。
逆に考えると多次元の視点が獲得できれば、人を裏返すのは楽しいということか。
むしろそちらの方が怖い気がする。


こんな感じで、ついつい先回りして遊ぼうとしてしまう。
子供にとってはありがためいわく。というか、楽しくない。
なんでも最初が一番楽しいものだ。
我慢してとっておけるのが大人の嗜み、と自戒しておこう。