爪が伸びる

爪が伸びるのが早い。
二日に一回くらいだろうか。
吉良もびっくりの成長速度である。


そして、とにかく切るのが怖い。
指は細くて折れそうだし、先についてる爪なんて米粒くらいの小ささだ。だからと言って放って置くわけにはいかない。顔を掻いて傷つけてしまうからだ。
そこで専用のはさみで切るのだが、急な横揺れでいつ指をとばしてしまうかと、気が気でいられない。
こいつは本当は爪を切られるのが嫌なんじゃないかと疑ってしまうほど、不意をついて動く。あと、握り締めてはなさない。
寝ているときにこっそり切ったりもするのだが、部屋を暗くする関係上手元が怪しいのも不安だ。
結局、悪戦苦闘しながら爪を切っている。
しかし、ちょっと疑問なのだが、あの専用はさみの刃先の丸いぽっちりはなんのためなのだろう。刺さらないようにだとは思うが、ぽっちりしすぎじゃないだろうか。
重さで安定させるほどではないだろうし。
気になって気になって仕方が無いので、ついつい余所見をしてしまう。
ああ、本当に気になって気になって仕方が無い。
余所見をしたら危ないのに。


ああ、気になるなあ。
ぱちん