笑う

楽しいから お愛想で なんだかツボにはまって
そんなこんなで私たちは日々笑いとともに過ごしている。
子どももまた同様で、最近なんかは特に笑うことが増えた。
こちらを見てにこにこしている時なんかは、心がとろけるようだ。
今ならおれおれ詐欺にも全力で引っかかる。間違いない。
ただ、そんな風に気持ちが盛り上がった瞬間、その笑顔に意味はあるのかとふと考えてしまう。
私たちの笑顔には意味があるし、外から見ていてもある程度その理由は想像がつく。
子どもも楽しいから笑っているのだろう。
だが、本当にそうなのだろうか。
あらぬ方向をいつまでも凝視し続け、飽きることなく右手を眺め続けられる生き物を本当に理解しているとでもいうのか。


野生生物の目を見ると魂が抜かれるという。
その瞳の綺麗さが、そういわしめたのだろう。
さて、では子どもはどうなのだろう。
野生かそれとも人間か。
もしかすると、もう魂を抜かれてしまったあとなのかもしれない。
子どもの笑顔にはそれ位の魔力はあってもおかしくはなさそうだ。