気楽と不安と蛸壺

家族と一緒に寝るのを諦めた。
だって、寝室が狭いのだもの。


第二子が生まれるとクイーンサイズのベッドに4人が寝ることは難しく、乳の無い父がベッドの隙間で寝ることに。
しかし、毎日一畳以下の幅で寝てると寝返りがうてずに肩こりが激化することが発覚。
次いで、持病の口内炎が悪化、多発。うがい薬で口をゆすぎ続けるも長期化に歯止めがかからない。
よって隔離病棟での静養とあいなった。
寝床、大事。超大事。


独りで寝るってのはすごい楽。
いつまでも好きなことして起きてられるし、寝返りに気を遣う必要もない。
朝5時に叩き起こされる恐怖に怯えずゆったりと睡眠できる。


でも、なんか嫌だ。
家人に「寂しいの?」と問われたが、寂しいとはちょっと違う気がする。
だって、夢も見ないくらいに眠りが深い性質だし。
多分、不安なのだと思う。
何かあったときに側に居ない可能性があるということが不安で仕方ないのだと思う。


毎日平気で仕事に出ているのにも関わらず、この廊下一つ分の距離が不安でたまらないのだ。
『不安を感じるのは、自分が最善を尽くしてないことを知っているからだ』という言葉を思い出す。


もちろん『何か』なんて無いのは知っている。可能性としてはトラックが突っ込んでくるとか、寝室に爆弾が仕掛けられるとかくらいしかない。
で、その場合でも私になにかできるわけじゃない。
トラックを止める身体を持ってるわけでもなければ、赤と青のケーブルを間違わずに切る運もない(爆弾処理してる段階で最低の運勢だが)
つまり、きっと諸共に死にたいのだ。


その残される不安を寂しいというのなら、私の今の感情は寂しいなのだろう。
で、家人に「めんどくさい」と言われるというオチ。
枕を濡らして朝を待つ。