想定問答

晩御飯のデザートのブドウが子どもよりも少なかった。
それもこれも圧政を敷くブドウ家のせいである。
「あれ、とーちゃんの少ないよ。キミの方が多くない?」と婉曲的に直談判したところ(形容矛盾)、「おおくないよ」と即答された。


そうかなあ。ほんとうかなあ。
実は気付いてるんじゃないのかね。だってキミ、私と一切目線を合わせないじゃないか。
こら、無言で食べ続けるな(しつこい)


自分のが多いと答えた場合の展開が予測できているのだろう。すごいなあ。
私の中の二歳児はもっとあんぽんたんなんだが過小評価だったか。
どんどんずる賢くなりなされ。自分のブドウは自分で守るのだ。


ただ、「ちょーだい」ってねだったらきちんとわけてくれるのが微笑ましい。
そう、自分の口に入った数が問題なわけじゃない。
ずる賢さと優しさは矛盾しないのだ。
大人になるとそういうことを忘れがちになるけどね。婉曲的に直談判したりとか。


ああ、わけてもらったブドウはおいしいなあ(私の分を狙う鷹の目を無視しつつ)