ばでぃ

何をするにもグルーミーと一緒じゃないと嫌がるように。
最近は散歩にも連れて行こうとごねる。
ただ、遭難するのは確実なので力尽くで引っぺがしていく。
涙の別れ。ただし、悲しみは30秒。木綿のハンカチだって濡れる間も無い。


だいたいにおいて最初の友だちにはたましいがない。
人形とは限らないまでも、心通わせるのは無機物無生物が常だ。
たましいを吹き込み最初の友だちをつくることが自己の発見と言ってもよいだろう。
だからこんなにも別ち難く、密接な関係になる。
グルーミーに肋骨が埋まっていたとしても不思議ではない(ミステリーではあるが)


きっと私にも友だちがいたはずだ。今は思い出しもしないけれど。
もしかすると、今も私の中の子どもの部分と一緒に遊んでいるのかも。
深く、暗い、底で。