アレルギー

例えば、例えばの話だよ?
アレルギーってあるよね。牛乳とか卵とか食べるとじんましんがでるやつ。


看護婦を馬鹿にするなって? ごめんごめん。
で、君の大事な人がそのアレルギーだったとしよう。そしたら、君はそれを食べさせたりするかな?


そう、普通はしないよね。
じゃあ、そのアレルギーがかなり特殊で、希少価値のある、そうねえ、例えばベンガル虎とかさ、そういう肉しか受け付けないとしたらどう?
我慢して他のものを食べても、吐くから栄養にならない。君の大事な人は今にも死にそうだ。その人の為に希少種を殺すことに問題はないかな?


数の問題じゃない、か。確かにね。希少価値ってのは所詮人間が決めてるだけだからね。所詮は牛や豚と違いがないってことか。頭良いね。
でもさ、そのために自分が法律を犯すことはできる?
この例えの話だとワシントン条約だけど、君の大事な人の為にそれができる?


そうか。なんとも美しい愛だね。
じゃあ、君のするべきことは一つだ。
なに、気に病むことはないよ。少なくとも日本に一億匹はいるんだから。